2006年02月23日(木)
I will survive. 〜僕は生きていく〜 [タイで仕事]
初めての翻訳本が完成。とても綺麗な本にしていただいた。
エイズで両親を失ったエイズ孤児達が社会(特に学校や医療施設の人々)の偏見や差別にさらされながらも、血のつながりのない育ての親の愛情に恵まれ、たくましく生きていく、実話に基づいた3つの物語。
タイ赤十字社とチュラロンコン大学の共同企画で、物語の執筆はチュラの医学生が担当した。
この物語を各国語に翻訳するにあたり、日本語訳を弊社が担当させていただいたのだ。
少々の医療専門用語も含まれていたので、日本語の校閲は私の前の職場の先輩日本人女性Yさんにお願いした。
その時はじめて、Yさんがチェンマイにあるエイズ孤児施設の理事をしていることを知った。
月に数度、週末に夜行バスでチョンブリからチェンマイまで様子を見に行くらしい。
Yさんから興味深い話を聞いた。
最近ロングステイでチェンマイに滞在している日本人ご夫妻から、ボランティアで施設を訪問して子供達にクッキーの焼き方を教えてあげたいので、車で送迎してくれないか、と申し出を受けた。
施設に常駐している日本人の方は丁重にお断りしたという。
なぜか。
施設に送迎車を出すほどの余裕がない、というのが一つの理由。
もう一つの理由は、バターのたっぷり入ったおいしいクッキーの味を覚えてしまって、その後もクッキーばかり食べたがって施設のごはんやお菓子を食べないようになると困る、というものだった。
常に子供達と一緒にいる方からすると、一般の人の好意による申し出が、ありがた迷惑になることもある。しかし、ロングステイのご夫妻はもちろん好意から申し出をしたのだから、断り方もすごく難しかっただろうと思う。
ボランティアというのは難しいものだ、とつくづく思った。
Posted by てんも at 00時00分