タイ語翻訳者がのぞいたタイランド

タイ在住のタイ語翻訳者がのぞいたアメージングタイランド、タイの楽しいニュースをお届け

2009年01月11日(日)

人生は勉強より「世渡り力」だ! [読書の記録]

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人生は勉強より「世渡り力」だ!

「痛くない注射針ができたらしい」というニュースを耳にしたことがある。その注射針を作ったのが岡野さんだ。

日本の工場には、自分の腕に誇りを持っている職人さんがいる。そんなおじさん達は、オヤジギャグは言うし職場じゃいつも怒鳴っているけれど、あったかい心の持ち主だったりする。
新人通訳だった頃、工場研修の仕事を担当していた時期がある。どの工場にも、元気いっぱいの職人さん達がいた。

この本を読んで、そんな職人さん達のことを思い出した。

「つねに大企業の人間とつきあっていないとダメ」とか、「1円もかけず、お願いもせず、相手が自分をPRしてくれるやり方」とか、参考になる話が盛りだくさんだったが、中でも感嘆したのは、「特許」の話。

新しい技術も、個人で取った特許では守れない。大企業は特許技術をまねた商品を作ってくる。特許を持っている人間が訴えたとしても、決着までには何年もかかる。終わるころには技術が古びている。しかも相手は大企業。「こんなにいるのかよ」というくらいの顧問の弁護師団と戦うことになるのだそうだ。

だったらどうするか。その解決法が痛快。岡野さんの柔軟な思考力、世渡り力が冴え渡っている。

Posted by てんも at 00時36分   パーマリンク

2008年12月08日(月)

ヤバい経済学 [読書の記録]

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ヤバい経済学

レヴィット先生は、人とは違う視点で物事を捉える、と評されている。

その特殊な能力を活かして、悪いやつを捕まえるのが大好きなんだそうだ。例えば、何らかの方法で自分のクラスの生徒の試験の成績を不正に底上げしているインチキ先生を見破るアルゴリズムを作った。

テストの点のデータを利用して「特定の問題の難易度、生徒が難しい問題を正解し、易しい問題を間違う頻度、一部の問題に対する答えがクラス内でどれぐらい強く相関しているかなど、必要なだけ要因を選んで影響を測り、どの先生がインチキをしていると思うか、名指ししてみせた」のだ。

レヴィット先生は、これから脱税、マネーロンダリング、テロリストを捕まえる道具を造りたいのだと言う。方法はまだ分からないけれど、「いいデータがあれば間違いなく答えは見つかると思うんだ」と語っている。

そのレヴィット先生がアメリカ教育省の「初等教育の縦断的調査」のデータを元に「親と子どもの成績の相関性」を分析している。

子どもの学校の成績と相関している要因
・親の教育水準が高い
・親の社会・経済的地位が高い
・家に本がたくさんある

相関していない要因
・家族関係が保たれている
・その子が生まれてから幼稚園に入るまで母親は仕事に就かなかった
・ほとんど毎日親が本を読んでくれる

もちろん、本の数と成績に相関性がある、ということは、本を買って子ども部屋に置いておくだけで成績向上につながる、ということではない。
「本の読み聞かせ」は子どもの成績に関係しない。親にとっては少し受け入れがたい、データが示すこの奇妙な結果を、レヴィット先生はこう分析している。

「ちょっとオーバーな言い方をすると、一つ目のリストに挙がっているのは親がどんな人かだ。二つ目のリストに挙がっているのは親が何をするかだ。」
「あなたが親として何をするかはあんまり大事じゃない。大事なのは、あなたがどんな人かなのだ。」

他にも相撲の八百長や子どもの名付け等、興味深い話題満載だった。

Posted by てんも at 00時09分   パーマリンク

2008年11月29日(土)

経済学思考の技術 [読書の記録]

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経済学思考の技術

統計的なデータを用いて議論をする際に注意が必要なのが、因果・相関の区別の難しさ。単なる同時発生傾向である「相関関係」に引きずられることなく、原因と結果の「因果関係」を掘り起こしていかなくてはならない。このために必要となるのが、「論理的関係を考える」ということ。

この本では、論理の基本を理解するために、以下の解説から入っている。
・演繹法と帰納法
・三段論法で誤った推論を確認する
・必要条件と十分条件
・逆・裏・対偶
・背理法

その後「経済学の基本設定」「現実経済を理解するための経済理論」「データと理論の合わせ技」「経済学思考の基本ルール10」と続き、最後に本書で身につけた技術を活かして現実の経済政策を考える「日本経済への処方箋」で締めくくられている。

必要条件と十分条件は、分かっていたつもりだけれど、実は正確に理解してはいなかったことに気づかされた。

例えば、
(前提A)すべての費用削減は利益率を向上させる
(前提B)すべての株価上昇は利益率向上により生じる
→(結論)すべての費用削減は株価上昇に結びつく

この推論に穴があることは必要条件と十分条件を区別していれば見破ることができる。

データを使って考える。推論をデータで検証する。そういう姿勢を身につけるために大切なことを教えてくれる本だ。
まずはこの本を、何度も繰り返し読もうと思う。

Posted by てんも at 00時07分   パーマリンク

2008年11月18日(火)

21世紀の国富論 [読書の記録]

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21世紀の国富論

筋が通っている英語の文章を読むと、頭がすっきりしゃっきりする。原さんの文章は日本語だが、論理的に書かれた英文を読んだ時のような爽快感が得られるのは、原さんが英語圏にいることが多いからだろうか。

本と向き合う第一弾として選んだ本だったけれど、専門用語を多用することなく、素人にもわかりやすく書かれていた。本当に頭が良い人は、こういう説明が可能なのだろう。

たとえば、「新しい資本主義のルールをつくる」の章では、

現在の株価はROEと強く関連するが、それ以前はROA、もっと前はEPSが重視されていた。株価を決める指標は、時代とともに、まるでファッションのように変化してきた。ROE経営は「すでにあるもの」の効率化を図ることはできても、「今はないが、将来つくるもの」の価値を最大化することはできない。

モノづくりにあたってR&D部門と生産部門を切り離せば、二つのあいだのフィードバックループは断たれてしまい、メーカーとしての強みは失われていく。内部留保は中長期の経営に不可欠。

この他に以下についても書かれている。
新しい技術がつくる新しい産業
会社の新しいガバナンスとは?
社会を支える新しい価値観
これからの日本への提言

原さんは、「新しい産業を生み出し、国の経済に豊かさをもたらす本質的なものは「新しい技術」にほかならない」という。
そして、製造業のノウハウを失っておらず、「機械の使い勝手をよくしたい」という発想ができる日本は優位にあるという。ポスト・コンピュータ時代の基幹産業において日本がイニシアティブをとるために、整えるべき体制について提唱している。

最後に原さんは書いている。「何事も簡単な方法はなく、粘り強く、地道に実行するしかありませんが、真に豊かな世界を実現するために、ともに一歩を踏み出しましょう」

Posted by てんも at 00時49分   パーマリンク

2008年11月17日(月)

ビジネスマンのための読書力養成講座 [読書の記録]

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ビジネスマンのための読書力養成講座

インパクトが大きい表紙である。
「速読だけじゃムダ!本は頭をよくするために読め!」

最近自分の「読み飛ばし」状態が気になっていたので、思わず手に取ってしまった。

「速読」「通読レベル1」「通読レベル2」「熟読」「重読」読書を目的別に5つに分類し、それぞれについて解説、必読書リストがついている。

読書の秋のような季節になってきたことだし、ここからはじっくり専門書と向かい合ってみようかと思う。

Posted by てんも at 00時35分   パーマリンク

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プロフィール

タイ語翻訳者

てんも

タイ国在住のタイ語翻訳者。
BOI、契約書、法律文書などの重要文書を中心としたタイ語翻訳を行っています。
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