歩調
ランチはたいてい屋台で済ませる。
一緒に行くのが、クーラー大好きなぷーしっとさんなので、うっかりすると冷房の効いた店
ブラックキャニオンとかになってしまうのだけれど、値段がまったく違う(桁一つ違う)ので、毎度毎度、なんとか屋台に誘導する。だって、チリも詰まれば山となる。このごろでは繰り返し読んだ本の成果か、1バーツの背後にマネートゥリーが見える私。
おいしい屋台で満腹になって、幸せ気分で歩く私達。
と・・・前方にのんびりダラダラ歩く女学生の姿。
・・・しばし無言で彼女達の後を歩いた後、分かれ道で別の方向を歩き出すやいなや、プーシットさんが発した一言。
あの人たち、まじめに歩いてるのかなー、まったく。
まじめにって、言われてもねぇ。たしかにすんごいのんびりペースだったけれど。
ぷーしっとさん。あれはおそらくあなたの教え子です。
東京からつくばに引っ越したばかりの時も、つくばの人達の歩調がゆったりしていることにすごく驚いたけれど、タイの人はそれに輪をかけてのんびりさん。
タイの海辺の町に暮らしながらも、私とぷーしっとさんは、今すぐ新宿駅の人ごみに放り込まれても、四方から押し寄せる人の波間をかいくぐり、目的地までスタスタと歩くことができると思う。
それはもう、体内に刻み込まれたリズムなんだと思う。
今はまだ、のんびり歩く余裕は私達にはないのかもしれない。