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楽しみながら

仕事や生活を楽しみながらできるのはすごいことだと思う。

生活力のある人は、もちろん生活を楽しむことができるけれど、仕事の方は、なかなか難しい。
好きなことを仕事にできれば一番いいけれど、世の中なかなかうまくはいかないし、好きなことは仕事にしたとたんに趣味から義務に代わり、好きが好きでなくなってしまうことさえある。

タイには生活を楽しむことが上手な生活力満点の人が多いように思う。
時の流れに身を任せつつも、何事も無理せず、物事をあるがままに受け入れながら、どんなときにも冗談と笑顔を忘れずに楽しみながら生きている。

でも、さすがのタイの人にとっても、仕事を楽しむことは難しいらしい。周囲を見ても、やはり義務として、就業時間内にそれなりにそつなくこなせば給料を獲得できる、と自分に言い聞かせながら仕事をしている人が多いように思う。
「ブアレオ(もう、うんざり)」
と愚痴をこぼしながらも、愚痴を冗談に変えてたくましく仕事をしている。

それでも、中には自分の仕事を楽しみながらやっているすごい人たちもいる。
その中の一人が、近所のガードマンのおじさん。
ガードマンといえば、「真面目に仕事をしない」というイメージが強い職業の一つ。
マンションに空き巣が入ったとか、会社で在庫製品が紛失したとか、そういう話にはかなり高い確率でガードマンが絡んでいる。
泥棒の侵入を防ぐためのガードマンが、泥棒の一味になってしまうことがあるのだ。

そんなガードマンのマイナスのイメージを吹き飛ばしてくれるかっこいいおじさんが登場した。
前任者は、車が目の前に停車しても椅子から立ち上がらず、ボーっと車を眺めている人ばかりだったので、私も度々
「彼らは何のためにあそこに座っているのか?」
と疑問に感じていたのだが、このおじさんガードマンは違う。
車が近づいてくれば他の車や歩行者に注意を呼びかけて、安全に駐車させてくれる。いわば、本来のガードマンの仕事を当たり前にやってくれているだけなのだけれど、前例が前例だけに、おじさんのこの姿勢はさわやかな感動を呼んだ。
車から降りた人が荷物がたくさんあれば、建物の中まで運ぶ手伝いまでしてくれる。
そして大切なのが、どんなときにも笑顔で、毎日毎日サワディーカップと言ってくれること。
おじさんの勤務地周辺を通りかかる人は皆おじさんのことを知っていて、皆笑顔で挨拶を交わす。
毎朝おじさんと挨拶を交わすのが日課になった今、楽しんで仕事をできる人たちのすごさを思う。

どんな仕事だって、自分の気持ち次第で楽しい仕事に変えることができる。
そして、楽しく仕事をしている姿が周囲に良い影響を与えて、周囲をハッピーにしてくれる。

前回の衣替え行事、警備会社の交代の際にも制服を変えただけでおじさんはそのまま勤務を続けている。願わくばずっとおじさんの笑顔を見ていたいなぁ、と思う。

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コメント

いい、光景ですよね〜〜〜〜.
ガードマンはずっと外にいるようなもんだから、つい暑さでだらけがちですよね。よく考えれば大変なお仕事なのに、笑顔をたやさないなんてなかなかできることではないですね。

こういうおじさんにはたまにチップをあげるといいよ。

ラヨーンの団地にもガードマンが常時3人います。ガードマン代を各戸毎月2000バーツ払っているとか。1000バーツだったかな。
夜中も鉦を鳴らしながら巡回してます。

好感度ナンバーワンだね♪

微笑みの国タイランドっていうけど、その微笑みに微笑み返せる自分がいないと成り立たないと思う。

ちょっとした時に微笑み返せた自分がいると、「あっ、心は今日も健康だ」なんて思うもん。

いいお話読ませて戴きました。娘に読ませようとコピーしました。

ポォさん
そうなんですよ。朝から爽やか笑顔のおじさんを見るだけで、元気が出てくるんです。おじさんは、偉大です。

イサーン太郎さん
そうか。チップかぁ・・・。
今度、チップ代わりにおやつでも差し入れしてみます。

yumikaちゃん
そうだねぇ。心の健康は大切だなぁ(しみじみ)

お名前記入されていない方
どちら様か分からないのですが、ありがたい感想をありがとうございます。

読んでいて代ゼミの時の警備のおじさんを思い出しだしました。
フレンドリーに(東北なまりで)あいさつし、時に世間話を楽しみ、時に学生の悩みを聞き、はげまし、あのちょっと赤いほっぺをしたおじさんの笑顔、大好きだったなぁ。

昨日空港の搭乗待合室すぐ後ろが手荷物をX線で検査するところで係員の仕事ぶりをボ〜と眺めていましたが、ゲートをくぐって要検査となると係員が細かくチェックしますよね。適当に何を調べているのかよく判らない人が多い中、昨日の彼女は検知器に反応する物はポケットの中など全て調べ、終わると笑顔でコップンカー!仕事ぶりもテキパキして本当に感心しました。こう言う人の笑顔って凄くさわやかに見えます。

私の嫁さんは食事に行って食べ切れなくて袋に入れて持ち帰った料理を時々アパートの警備員に差し入れしていました。私は最初余り物を・・・と感心しなかったけど警備員さんには喜ばれていました。お菓子の差し入れなんて喜ばれそうですね。

なおちゃん
いたいた!!いたよね〜。
懐かしいなぁ(*^_^*)
あのおじさんに、雰囲気そっくりです。

うえのさん
空港も、ダラダラ派とテキパキ派の差がはっきり現われる場所ですよね〜。
たしかに、テキパキやってもらえると、とても気分いいです。

食事の残りをおすそ分けするの、結構普通にやっているみたいですね。私も最初は驚いたけれど、本人達(あげる方ももらう方も)はいたって自然にやっているので、私も最近は「そういうものなんだ」と思うようになりました。

話はずれるけど、
あるホテルに泊まったときに写真を撮ってもらおうとして英語で話しかけたら、
そのガードマンさんが一緒に写真に入ると勘違いしてしまい、
その照れた笑顔に負けて一緒に撮りました。

本当ですねー。同じ仕事でもどう感じるかは全て自分次第。
周りの人や仕事環境に影響されて面白くなくなるっていうのは何かもったいないですもんね。

noinaちゃん
微笑ましいな〜(*^_^*)
ガードマンさんの笑顔も、そして、そのまま一緒に写真を撮ったnoinaちゃんも・・・。

じろちょーさん
自分の感じ方は、自分の心がけで変えることができますもんね(*^_^*)

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