メイン

2005年10月13日

シンガポール ブロガー事件2

ブロガー投獄事件報道翌日の新聞に、二人のブロガーが逮捕されることになった直接のきっかけとなった通報を行なった女性のインタビューが載っていた。

「人間の尊厳が傷つけられているのをみて、放っておけなかった」

と語った彼女は、たまたま見つけたブログの内容のムスリムに対する偏見と悪意に満ちたコメントの、あまりの酷さに怒りを覚え、直後(夜中の3時)に警察に通報した。

シンガポールの警察は彼女の通報を聞いて
「ブログはブロックではない」ことを理解するのに1分間かかったという。

IT先進国のシンガポールなのに、意外な事実である。

匿名を条件にインタビューに応じた通報者である彼女は、まさか自身の通報がブログ作成者の逮捕に繋がるとは思っておらず、大変驚いたという。しかし、自身のとった行為を後悔していないという。
彼女は子供の頃に学校でマレー人は「のろま」で「愚か」だと言い放つ先生に対して、怖くて反論できなかった過去を持つという。

「人種」や「宗教」でくくられて、「日本人だから」「タイ人だから」と言われることは、確かに人間の尊厳を傷つける行為だと思う。

その現実の前には「言論の自由」も吹き飛ぶ。

複雑な事情を抱えるシンガポールという国。

数年後にまた訪れてみたい。

2005年10月11日

シンガポール ブロガー事件

シンガポールに行ってきた。
ホテルで何気なく読んだ新聞に興味深い記事が掲載されていた。

ブログに人種差別発言を掲載していた20代の若者二人に対して、それぞれ1ヶ月の禁固刑及び約40万円の罰金刑が科せられたのだという。

事の発端は新聞に掲載された、ある婦人のコメント。

この婦人は、後部座席に犬を乗せたタクシーを見かけた。
シンガポールのムスリムにとって、犬の唾液に触れることはタブーである。
そこで、新聞に、タクシーに犬を乗せる際にはケージ入れるようにできないであろうか。というコメントを投稿したのだ。

これに対して批判的な発言をし、人種差別的な記事を掲載している自分のブログへのリンクを張った若者及び愛犬家サイトで同じように批判的な発言を行なった若者に対して上記の判決が出たというもの。

判決の理由については「様々な人種、宗教を持つ人々が共存して生きているこの国において、お互いの宗教心情について敬意を払うことは、いかなる法律にも優先されるべきたった一つの社会的行為である」と述べられている。

新聞には二人の若者の顔写真とともに、謝罪文が掲載されていた。

所変われば、、、を実感した記事だった。

2005年09月24日

心臓病の予防(タイラットより)

今日タイでは、1時間に7人が、心臓病、心臓麻痺が原因で亡くなっている。 そのほとんどが、働き盛りの中高年である。 心臓病の予防のためには
・揚げ物、肉の脂身を減らす
・不飽和脂肪酸を含む油に変える
・色とりどりの生野菜・果物を1日に5−7種類摂取する
・味の濃いもの(砂糖、炭酸飲料、ナムプラー、塩、漬物、缶詰など)を減らす
・レバー、卵の黄身、魚以外のシーフードを減らす
を心がけると良い。

1日5−7種の野菜と果物で思い出したけれど、
日本に1日30品目を摂取する、という健康の目安となる数字があるらしい。
それが体に悪そうとか良さそうとか気にせず、とにかく30品目達成すればOK、というもの。
そうすれば自然にいろんな種類の栄養素を摂取できる、という仕組みだと思う。
実行しようと思うとこれが結構難しい。でも、大切なこと。
これを機会に日々の食卓の品目数を気にしてみよう。

というわけで、今朝の我が家の食卓。
比較的ゆっくりできる土曜の朝は、市場でアッツアツのナムトーフーを
買ってくることが多い。

ナムトーフー(サークー、ウン入り)
パートンゴー
ムーヤーン
カオニアウ
プチトマト
温野菜(インゲン、ベビーコーン)
お茶

かろうじて10品目達成・・・。
10品目の達成には、チョコチョコとお惣菜を作りおきしておくことが欠かせないかも。

2005年09月21日

天井から侵入(ManagerOnlineより)

IT機器の販売店が集まっているパンティッププラザで、デジカメの大量盗難事件が発生した。 被害にあったのは、パンティッププラザにあるデジタルカメラの販売店2店。 1店は、コダック、キャノン、ニコン、フジ、ミノルタなどの高級ブランドデジタルカメラ計24点とIT機器1点を盗まれた。2店の被害総額は100万バーツに登る。

犯行推定時刻は真夜中から午前3時にかけて。各販売店が、ブースの商品陳列、模様替えをしている時間帯である。犯人は天井から店に侵入し、物色後、別の店のデジタルカメラまで盗み、犯行終了後は地下駐車場から犯行現場を後にしている。

防犯カメラの死角を知り尽くしている犯行経路から、犯人はこのデパートで電気配線工事を担当した技術者グループであると考えられている。

「天井から侵入」というと思い浮かべるのが「ミッションインポッシブル」
真夜中の静かな店内で犯行に及んだのかと思ったら、販売店にとってこの時間は商品陳列の時間らしい。結構人の出入りはあったのかもしれない。眠らない業種はこんなところにもあったのね。

2005年09月16日

ピンチはチャンス(オレンジポプリ)タイラット紙より

その昔、愛妻家の上司から聞いた話。

「最大のピンチは最高のチャンスになり得る」という話をしていたときに、奥様が

「ピンチはチャンスなのよ」

というべきところ

「チャンスはピンチなのよ」

と言ってしまった。それを聞いた上司は、

「それは違うでしょう」

と笑いながらも、フと、「いや、これもまた真なりか・・・」と感じたと言う。

誠に愛妻家らしい発言である。(ちなみに、この上司の名前は「幸夫」という。
幸せな夫と書くのである。名は体を現すって本当なんだな、と、この方と出会って実感した。)

チャンスが来ている時にうまく状況の判断ができないと、チャンスがピンチになってしまうこともあり得る、という意味では確かに「真なり」かもしれない。

そんなことをフと思い出したのは、ピンチをチャンスに変えた、というニュースのおかげ。

今年はタイ各地で大雨洪水、水不足とあらゆる水害が発生している。パトゥムタニー県のみかん農園も例外ではなく、大雨によりみかんの実が落ちてしまったという。
がっかりしていた農家の人々の救世主となったフが、ラーチャモンコンランブリー技術大学のスタッサニー助教授である。
スタッサニー先生は、落ちてしまったみかんの実は、たとえ食べることができなくても、皮の部分はまだ十分利用できる、と、みかんの皮を利用したポプリの製作を指導した。

ちょっと調べてみたところ、みかんの香りは、ストレス解消、免疫力強化の効能があるという。そのみかんに、バラとバイトゥーイをブレンドして、オレンジポプリを作成する。

このポプリは、すでに地元の主婦グループにより商品化され、15-20バーツで販売されているということだ。

2005年09月09日

北のラムヤイ南のロンゴン(タイラット紙より)

タイでは、ラムヤイ(竜眼)が豊作、を通り越して、余っている。
政府ではラムヤイ消費キャンペーンを実施。砂糖入り日本茶の「Oishi」も日本茶と平行してラムヤイジュースを製造。セブンイレブンでも販売している。 評判はいまいちらしいけれど、美味しいとか美味しくないとか、そういうこと以前に、ไทยช่วยไทย なのだ。

その一環で、ラムヤイとロンゴンの中国への輸出促進が計画されているらしい。

中国でもラムヤイは生産されていて、タイラムヤイより価格が安い。
中国ラムヤイは1キロ20バーツに対してタイラムヤイは輸送コストも含めると3-40バーツになるという。

品質は、タイラムヤイの方が実が大きく種が小さいので、中国の消費者に受け入れられる要素はあるらしいんだけれど、中国の物価から考えると、値段がやはりネックになりそう。

タイラムヤイの試食会を開催した中国の高級スーパーマーケットの店員さんの月給は5000バーツ。
マネージャークラスでも1万バーツを超えず、日雇いの労働者では1日50バーツに満たない場合もある。
しかし物価はあがっているので、庶民の生活は厳しい。

ここでも、売れるかどうかは、商品の品質よりもマーケティングの手法次第である。という法則が浮かびあがる。一人の中国人青年がある提案をしていた。

ちょうど、ช่วงเทศกาลไหว้พระจันทร์ (中秋の名月)の時期なのだから、それに合わせて、祭で食べられる月餅のラムヤイ餡バージョンを作成してみたら?

なかなか良いアイディアだと思う。

ちなみに、ラムヤイは、ドリアン同様食べると「体を熱くする」フルーツなので、食べるときには同時にたくさんの水分を摂取しないと後で「喉が痛い」とか「熱が出た」なんてことになる。知ってはいるけど・・・ということで、毎年ラムヤイ食べて熱を出すことを年中行事にしているタイの友人がいる。ラムヤイには要注意である。 私はラムヤイは5粒が限界。それ以上食べると、喉がヒリヒリする。

このように要注意のラムヤイに比べて、ロンゴンは、いくら食べても大丈夫。の優しい南国フルーツの代表。 ラムヤイとロンゴンの写真は、Gipuのホームページで見ることができる。

こちら。 

http://www.gipu.net/jp/pic/teiten0507.html

2段目の左端がロンゴン。ロンゴンの右がラムヤイ。写真をクリックして拡大すると、違いがよく分かる。

Gipuでは、タイの市場を毎月写真に収めている。これが結構きれいにとれていて、眺めるだけで楽しい。
著作権フリーなので、壁紙などに利用していただいても良いかもしれない