2006年03月15日(水)
4月2日の総選挙は行き止まり？ [タイの政治経済]
タイ総選挙のまめ知識で書いたようにタイの下院議員は小選挙区選挙制の400人と比例代表制の100人を合わせて500人の構成となっています。
今までの状況を見て、比例代表制による100人の下院議員はタイ愛国党に独占されることは間違いありません。３大野党のボイコットにより投票率の5%（参考：タイ国憲法の第100条）以上の支持率を獲得する見込みの野党がないからです。
しかし、事態は逆転しました。なぜかというと一昨日、比例代表候補の一人であるタイ愛国党のプレームサック・ピヤルラ氏が電撃出家したからです。（タイの憲法第106条によると、出家した者は議員の資格を満たさないのです。）
このため、比例代表制の議員の数が99人しか集まらないことになり、議会を開くことができなくなります。つまり、タイの政治は袋小路に入り込んだ状態になっています。いったいどのように打開していくかわかりませんが、この状況のままだと、今度の総選挙はあまり意味がないような気がします。
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タイの憲法106条：選挙権行使禁止者
タイの憲法100条：比例算出方法
Posted by ぷーちゃん at 00時01分
コメント
プレームサック・ピヤルラ氏はTRTを支持しない事を表明するために出家したのでしょうか？また同氏と入れ替わる繰り上げ当選のようなものはシステムとしてないのでしょうか？
>K岡さん
特別な理由がなければ、今度の総選挙は4月2日に実行しなければなりません。これによってタクシンが再び首相になると、双方の亀裂が大きくなり、場合によっては流血事件が起こりうるので、プレームサック・ピヤルラ氏はこのことを察して、出家することにしたのではないかと思います。
また繰り上げ当選のようなシステムは存在しないので、今度の選挙は無効になる確率が高いと思います。
3大野党が撤退してしまって、今まで名をきいたことのない、野党が５％も支持をうけるのは難しいですよね。
それに、南部の野党立候補者は候補の規定を満たしていないことが判明したり、頼まれて立候補したことを自白してしまったりして立候補取り消しになっているし、
民主主義の公平な選挙が成り立つのであろうか気になります。議席の大部分が与党というのも前代未聞ですよね。
＞ぷーちゃん
コメントありがとうございます。なるほど、選挙システムなど子細な内容を知らなければ新聞報道だけでは分からない事ばかりですね。それにしても混迷は深まるばかりです。
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