2009年11月25日(水)
研修初日 [スコータイ大学]
MCの説明が終わり、研修合宿の開始が宣言されると、すぐにお昼ご飯の時間になった。
その後、各自割り当てられた教室に入る。そこで始めてクラスメートと顔を合わせた。自己紹介の後、クラスメートの名前を覚えたり、グループ活動を行うための課題が3つ出された。グループ毎に協力してパズルを組み立てたり、お互いに署名してもらったりする課題で、初日は特に会計とは関係のない活動中心だった。
ただし、担任の先生は毎年学生達の様子を見ているので、
「明日の課題を今から配ります」と早めに課題を配ってくれた。
専門の課題は全部で5つ。それを全て5,6人のグループで協力して仕上げていく。5つの課題のうち4つは、クラスの前でプロジェクターを使用し、グループ毎に解き方の発表を行うことが義務づけられていた。
そしてその「発表」は、少なくとも1人一回は必ず行うように、という条件が付けられていた。
これはなかなかすごいプレッシャーとなった。
そして、
「会計の作業は1人きりではできません。チームワークが必要ですね。友達の意見をうなずいて聞いているだけでは参加していることにはなりませんよ。全員が自分の意見を出し合って、課題に取り組んでください」とのお言葉。確かにその通りだけれど、自分の意見を出すためには、問題の意味を的確に捉え、答えを導くための手順をきちんと見つめられることが前提条件だ。これもかなり高いハードルだった。
最初の課題は、時間割によると2日目の午前中いっぱいを使うことになっていた。先生が初日の夕食後に配ってくれたので、初日の夜からこの課題に取り組むことになった。
内容は管理会計と税務会計。年末の決算整理仕訳に関する情報が並んでいて、それぞれを管理会計的(ターン・バンチー)にはどのように処理するか、税務会計的(ターン・パシー)にはどのように処理するのか判断して整理仕訳を行っていく。そして最終的に納税額を求める、という課題だった。
結局、初日の夜、私は全く意見を出すことができなかった。解き方を検討する友達の話についていくのが精一杯だったのだ。
まだお互いのことをよく知らないクラスメートとの共同作業は、その日夜11時までかかった。普段は10時には寝ているというのに、会計用語が飛び交う中に夜中までいたことで私の頭はパニック状態だった。
10時を過ぎた頃には、緊張とプレッシャーから、吐き気に襲われた。
寝室に戻ると、他の部屋で勉強していたルームメートは全員すでに寝ていた。
「今日の課題を含めて5つの課題全てに答えを出すことができるのだろうか」ということが心配で、「もうあきらめて家に戻ろうか」という気持ちと「ここで逃げ出すことはできない」という気持ちの間で揺れ動き、ベッドに横たわりながら心臓がドキドキした。
その夜、私は一睡もできなかった。
身体は疲れているはずなのに、精神が高ぶって眠ることができなかったのだ。
これまでの人生で、夜中に眠れないことはあっても、朝まで一睡もできなかったのはこれが初めてだ。
それでも必死に自分に言い聞かせた。例え眠れなくても、ベッドに横になって目を閉じているだけでも、脳はきっと休息できているはずだ。
頭の片隅で、朝になったら髪の毛が全部真っ白になってるかもしれないな、なんてことを思った。
Posted by てんも at 00時07分