2009年12月02日(水)
帰宅 [スコータイ大学]
スコータイ大学用語で言う「スコータイ大学の塀の中」から出て、元の世界に戻る時がやってきた。
5日間の平均睡眠時間は4時間。
毎日7時間眠っている私にとって、普通じゃない5日間だった。無事に5日間の研修を終えることができたのは、ルームメイトとクラスメイトのおかげ。支え合って、励まし合う友達がいなかったら、初日から泣いて逃げ帰っていただろう。
難問を解くヒントをテキストから見つけ出してきた友達には、スコータイ大学のテキストが実は情報の宝庫だということを教わった。
夜中まで冗談と笑顔を忘れずに電卓を叩く友達には、会計の世界で生きる人間にとって大切な姿勢を教わった。
5日間で得た物があまりに多くて、自分の中ではまだ全てを消化できていない気がした。
たった5日間なのに、仲間の間に生まれた結束は堅く、大学との間に目に見えない絆もできた。私はタイに母校ができたのだ。
「卒業式で会おうね」そう約束して、友達と分かれた。
これから飛行機で地元に帰る人、長距離バスで地元に帰る人、そして、タクシーでバンコク都内のアパートに戻る人がいる。タイ全国から参加者がいたので、友達も北部、東北部、東部、バンコク近郊、南部と、いろいろな場所から来ていた。
私は友達と一緒に、迎えに来てくれただんなさんの車に乗り込んで、大学から外に出た。
高速道路を走る車に揺られながら、久しぶりに見る外の風景に、まるで外国から帰ってきたかのような気持ちになった。
同じくチョンブリ県在住の友達を、途中で降ろした。彼女とは試験会場で何度か会っていたのだけれど、直接話をしたのは今回が初めてだった。
近所に友達ができたのは嬉しいことだった。
オフィスに戻ると、スタッフがいつものように仕事をしていた。不在の間のメールは、全てきちんと返信されていた。
5日ぶりに自宅のお風呂でシャワーを浴びて、自宅のベッドで眠った。家族と一緒に自宅で過ごす時間。当たり前に思っていた貴重な時間。
4泊5日の夢中で課題に取り組んだ時間は、外界から切り離されて、集中して勉強できる時間だった。
掃除も食事の支度も洗濯も、そして仕事も、一切忘れて、勉強だけしていればよかった。
とても恵まれた環境だったけれど、現実はきっとそれではいけない。生きていくということは、勉強しながらも、家事や育児、仕事もやるということなんだと思う。
それぞれに集中できる時間は少なくて、時には同時並行で作業を進めていくことが求められる。
それでいいのだ。そして時に立ち止まって、先生に言われた通り、自分にとって大切なことを忘れていないか、じっくり考えてみるのだ。
5日間の体験を忘れないうちに書き留めてみたけれど、ここで書いたことだけでなく、今はまだ言葉にして認識する段階にはないけれど、心の奥深くで受け止めた〔大事なこと〕はまだまだたくさんある。それらはきっと、これからの生活の中で、ふとした時に大切な記憶として蘇り、私を助けてくれる気がする。
スコータイ大学の合宿に参加した体験は、私の宝物になった。
Posted by てんも at 00時03分