2010年01月14日(木)
モーリさんの不在 [タイで生活]
ご主人の退職直後にも関わらず、現在モーリさんが1週間のお出かけ中だ。
退職という大きな節目を迎えた直後のご主人を自宅に一人にして、出かけてしまうのはどうなのか、と周囲は思った。
でも、モーリさんにはモーリさんの言い分があった。
モーリさんがこの時期に出かけることは、去年のうちから決まっていたことで、ご主人が仕事を辞めることが決まったのはつい最近のこと。
「直前になって言われても、スケジュールは変更できない」
という訳だ。
モーリさんのお出かけは、北部在住の仲良しの従姉妹が大きな手術を受けたので、その看病が目的。従姉妹にも家族はいるのだが、モーリさん曰く
「あそこのだんなは役に立たない。退院直後の奥さんに食事の用意をさせているんだから。」
それならせめて、モーリさんご主人も一緒に北部に行ったらどうか、と提案してみた。
モーリさん夫妻は供に北部出身なので、親戚の家があちこちにあるのだ。モーリさんが従姉妹の家に泊まり込みで看病している間、モーリさんご主人は他の親戚の家でのんびりすればいい。むこうにはモーリさんご主人のお姉さんの家もあるので、そこでしばらく過ごすのもいいのではないか。定年直後の1週間を自宅で一人寂しく過ごすより、親戚の家でにぎやかに過ごす方が楽しそうじゃないか。
残念ながら、この提案もモーリさんにより即座に却下された。
連れて行ったら「今どこにいる」「何を食べている」「俺にも買って来てくれ」と、30分毎に電話がかかってくるに違いないという。
従姉妹の看病が目的なのに、夫の世話で忙しくなるのは嫌だと言う。
ごもっとも。
こうして周囲の心配をよそに、モーリさんは旅立ってしまった。
残されたのはモーリさんご主人と番犬3匹。そして近くに住んではいるものの、あまり頼りにならない息子夫婦。
モーリさんご主人の退職後の生活は、ハラハラドキドキの幕開けとなった。
Posted by てんも at 00時02分 パーマリンク
2010年01月13日(水)
退職 [タイで生活]
モーリさんご主人(夫父)が退職した。
モーリさんご主人は定年の60歳はすでに超えていたものの、勤務先から依頼され定年が過ぎてからも仕事を続けていた。
今年は不景気の影響で契約の更新がされなかったらしい。
それでモーリさんご主人は、年明けから仕事に行かなくなった。
モーリさんご主人の退職で、家族に小さな動揺が広がった。
一番影響が大きかったのは、小学生の孫達。
おじいちゃんが仕事を辞める=おじいちゃんに収入がなくなる
と理解した孫達は、子ども達で相談してモーリさんご主人にこんなことを言ったらしい。
「おじいちゃん、庭の花を売ればいいよ」
たしかに、モーリ庭園には花や果実が鈴なりだ。
だが、孫達よ、そんな心配は不要なのだ。
モーリさん夫妻には二人で食べていくには困らない程度の貯金があるし、公務員だったモーリさんには生涯「年金」が支給される。
私とだんなさんにとって、一番の関心事は、1日24時間を好きに使えるようになったモーリさんご主人のこれからの日々の過ごし方だ。
家には数年前に公務員を早期退職したモーリさんがいる。
まだ二人とも元気なので、これから夫婦二人で充実した時間を過ごして欲しいと思う。
Posted by てんも at 00時23分 パーマリンク
2010年01月12日(火)
魔法の本屋さん [タイで生活]
高校生の頃、私にとって特別な本屋さんがあった。
電車通学していた私は、数ヶ月に一度気が向くと途中下車してその書店に立ち寄るのが楽しみだった。
最初は、そこが特別だということに気づかなかった。
高校2年生になった頃だろうか、その書店でたまたま見かけて買った本のほとんどが自分にとって大切な本になっていることに気づいた。
高校生がお小遣いで買える本といえば文庫本だったのだけれど、何度も読み返したくなる本が多かったのだ。
それと気づいてからは、その書店に通うのがそれまでよりずっと楽しみになった。それからも、気になる本を見つけたり、長い間探していた本を見つけたり、その書店ではいろいろな本と出会った。
大学生になってからは学校の場所とその書店の場所が全く違う方角になってしまったのだが、それでもたまに、のぞいてみた。でも頻度は少なくなった。あまり頻繁に行って、自分にとって「特別な場所」が特別な場所でなくなることが怖かったのだ。
それでもその場所は、いつでも私の期待を裏切らず、行く度に他では見つからなかった本を見つけることができた。
タイに来て10年経ったということは、あの書店にも10年行ってないということだ。あの書店は、今もまだあの場所にあるだろうか。
特別な出会いはいつも、後から気づくものらしい。最近になって、タイにも私にとって特別な書店があることに気づいた。
そこに行くのは多分これからも年に数回だけれど、その度に今度はどんな本と出会えるのだろうと思うと、胸が高鳴ってしまう。多分私は、魔法の本屋さんの魔法にかかって、あの場所に恋してしまったのだ。
Posted by てんも at 00時39分 パーマリンク
2010年01月11日(月)
転職のお話 [タイで生活]
親戚の子が転職するという話を聞いたのは、年末のことだった。
年明け早々に、辞表を提出したらしい。ボーナスをもらってから辞めたそうだ。
転職先は、旧職場からそれほど離れていない場所にある。
「新しい職場は、より専門知識が活かせるから」と本人は希望に目を輝かせている。
でもこの転職話、少々心配なところがある。
前の職場でもらっていた給料は9,000バーツだというのに、新しい職場は20,000バーツもらえるという。
2倍以上である。
役職が付くのかと思ったら、そうではないらしい。
転職を機により職位が上がり、給料も数千バーツアップした、という話はよく聞く。そうやって転職しながらステップアップしていくのがタイ的出世の一つの方法だとも思う。
しかし、今回の転職は、金額が上がりすぎて逆に心配なパターンだ。
少し話を聞いてみたところ、
仕事内容は今までと大差ないが、勤務時間が確定しておらず、電話があった時に出社するそうだ。
出社時間が決まっていないということは、退社時間だって決まっていないということだ。そうなると、「残業代」は存在しないかもしれない。
これまでの会社は基本給は高くなくても、夜勤手当等をしっかり支給されていた。今度の会社はどうなのだろう。そのあたりのことを考えて上で決断したのだろうか。
転職の相談をされたのであればともかく、すでに転職が決定している彼に、あまり余計な質問をするのもどうかと思ったので、とりあえずは彼の転職をお祝いした。
私の心配は取り越し苦労かもしれない。
まだ20代の若い彼にとっては、何事も社会経験だ。私の心配が取り越し苦労で、新しい職場での仕事が、彼にとって楽しいものであるように祈った。
Posted by てんも at 00時13分 パーマリンク
2010年01月10日(日)
お魚博士の見解 [タイで生活]
タイでポピュラーな魚、「プラートゥー」について、
「プラートゥーは、アジでもサバでもなく、プラートゥーである」ことを踏まえつつ、アジの仲間なのか、サバの仲間なのか、知りたいと思った。
そこで、我が家の頼れる見方、お魚博士に聞いてみた。
お魚博士は、水産が専門なのだが趣味が高じて今では情報学の先生をしているという、面白い経歴の持ち主。魚のこと以外にも、タイの文化や風習等、幅広い知識を持っているので、我が家では何か質問があるとお魚博士に聞くことにしている。
そのお魚博士に、プラートゥーについて質問してみた。
まずは、グルクマの写真を見てもらった。
http://fishing-forum.org/zukan/mashtml/M003962_1.htm
グルクマは日本では南の方でしか捕れない魚らしい。見た目はプラートゥーそっくりに見える。
お魚博士は言った。
「これはプラートゥーだね」
サバ科のグルクマ=プラートゥーということで、やはりプラートゥーはサバ科だった、ということが分かった。
博士によると、プラートゥーがアジの仲間でないのは、「ぜいご」がないことからも分かるのだという。
言われて見れば、たしかにプラートゥーにはゼイゴがない。
また、プラートゥー・ヌンが首を曲げているのは丸いカゴに入れて蒸す際に人工的に折り曲げられたとのこと。
「ヌン(蒸す)」とはいうが、実際にはガンガンに熱した塩水に、カゴに入れた魚を一気に入れて火を通し引き上げるそうだ。調理法としては「かまあげ」に近いらしい。
プラートゥー・ヌンは、そのままヤムにして食べることも可能だが、市場で並べられている間にハエ等が触れている可能性が高いので、できればそのまま食べる際にもレンジ等で加熱してからの方が安心ということだった。
こうして、お魚博士は今回も我が家の疑問を見事に解決してくれたのであった。
Posted by てんも at 00時25分 パーマリンク
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