2008年12月08日(月)
ヤバい経済学 [読書の記録]
レヴィット先生は、人とは違う視点で物事を捉える、と評されている。
その特殊な能力を活かして、悪いやつを捕まえるのが大好きなんだそうだ。例えば、何らかの方法で自分のクラスの生徒の試験の成績を不正に底上げしているインチキ先生を見破るアルゴリズムを作った。
テストの点のデータを利用して「特定の問題の難易度、生徒が難しい問題を正解し、易しい問題を間違う頻度、一部の問題に対する答えがクラス内でどれぐらい強く相関しているかなど、必要なだけ要因を選んで影響を測り、どの先生がインチキをしていると思うか、名指ししてみせた」のだ。
レヴィット先生は、これから脱税、マネーロンダリング、テロリストを捕まえる道具を造りたいのだと言う。方法はまだ分からないけれど、「いいデータがあれば間違いなく答えは見つかると思うんだ」と語っている。
そのレヴィット先生がアメリカ教育省の「初等教育の縦断的調査」のデータを元に「親と子どもの成績の相関性」を分析している。
子どもの学校の成績と相関している要因
・親の教育水準が高い
・親の社会・経済的地位が高い
・家に本がたくさんある
相関していない要因
・家族関係が保たれている
・その子が生まれてから幼稚園に入るまで母親は仕事に就かなかった
・ほとんど毎日親が本を読んでくれる
もちろん、本の数と成績に相関性がある、ということは、本を買って子ども部屋に置いておくだけで成績向上につながる、ということではない。
「本の読み聞かせ」は子どもの成績に関係しない。親にとっては少し受け入れがたい、データが示すこの奇妙な結果を、レヴィット先生はこう分析している。
「ちょっとオーバーな言い方をすると、一つ目のリストに挙がっているのは親がどんな人かだ。二つ目のリストに挙がっているのは親が何をするかだ。」
「あなたが親として何をするかはあんまり大事じゃない。大事なのは、あなたがどんな人かなのだ。」
他にも相撲の八百長や子どもの名付け等、興味深い話題満載だった。
Posted by てんも at 00時09分