2006年11月12日(日)
タイ人の秘密 [アメージングタイランド]
タイは年長者を敬う。そして子供はどんなに大きくなっても母親を大切にする。
なぜか、ということは考えたことはなかった。タイはそういう国なのだ、と思っていた。
しかし、母親に対する特別な愛情を子供に植え付ける仕組みがきちんと存在しているようだ、ということを知った。
何のきっかけか、スタッフが子供の頃学校で体験したお坊さんのお説教について語ってくれたのだ。
全校お泊り合宿の際、招かれたお坊さんが子供たちに向かってお話をしたらしい。最初は面白い話ばかりで子供たちはみんな笑い転げながらお坊さんの話に引き込まれていく。
ところがだんだん、話がお母さんに関するものになっていく。
「お母さんはいかにあなたたちを愛しているか」
「お母さんはあなたたちにどれほど多くのものを与えてくれたか」
などなど、子供たちの心に「お母さん」のありがたさを沁み込ませるような話が続く。ご丁寧にバックに美しくも悲しい音楽まで流されると、多感な子供たちは一斉に涙を流すらしい。
「どうして泣いたのか自分でも理由の分からない涙が滝のように流れました。でも全然恥ずかしくなかった。だってその場にいた全員が泣いてたんだから」
その場でお母さんに会いたくなったり、お母さんの「偉大さ」を実感したり、さまざまな気持ちが混ざって、涙という形で現れたらしい。
このお泊り合宿には、泊まりではなく授業の合間に学校にお坊さんが来て出張説教するパターンなどもあるらしいが、とにかく公立学校に通うほとんどのタイ人はこの涙を経験しているらしい。
なんだなんだ。こういう洗脳を受けているから、タイ人は皆お母さんを大切にするのか。タイ人の秘密を一つ知ってしまった気がした。
Posted by てんも at 09時05分