2007年02月26日(月)
通訳という仕事 [タイで仕事]
その道を極めようと精進している人にとってそうであるように、私にとって通訳という仕事は神聖な仕事だ。
通訳は、クライアントに信頼いただいて、初めて成立する。
クライアントの「自分の伝えたいことを通訳が相手に正確に伝えてくれる」という前提で話をする。
だから通訳はクライアントの伝えたいことを正確に伝えるために自身の技術の向上に努力する。
通訳という仕事は怖い仕事だ。その気になればクライアントにわざと誤情報を伝えることもできてしまう。
そこにほんの少しでも保身の気持ちや怠惰な気持ちがあって、言葉の通じないクライアントを裏切ろうとすれば簡単にできてしまう。
だからこそ、通訳の場に私情を挟むことは許されない。
その場しのぎのいい加減な嘘がいつか必ずばれるように、いい加減な仕事はいつか必ず周囲の知るところとなる。
つい先日、通訳の仕事を冒涜するような行為を見て、そんなことを再認識させられた。
通訳者にはクライアントの「想い」が託されているのだ。その重みを忘れてはいけない。自戒を込めて。
Posted by てんも at 04時38分