2007年02月26日(月)
通訳という仕事 [タイで仕事]
その道を極めようと精進している人にとってそうであるように、私にとって通訳という仕事は神聖な仕事だ。
通訳は、クライアントに信頼いただいて、初めて成立する。
クライアントの「自分の伝えたいことを通訳が相手に正確に伝えてくれる」という前提で話をする。
だから通訳はクライアントの伝えたいことを正確に伝えるために自身の技術の向上に努力する。
通訳という仕事は怖い仕事だ。その気になればクライアントにわざと誤情報を伝えることもできてしまう。
そこにほんの少しでも保身の気持ちや怠惰な気持ちがあって、言葉の通じないクライアントを裏切ろうとすれば簡単にできてしまう。
だからこそ、通訳の場に私情を挟むことは許されない。
その場しのぎのいい加減な嘘がいつか必ずばれるように、いい加減な仕事はいつか必ず周囲の知るところとなる。
つい先日、通訳の仕事を冒涜するような行為を見て、そんなことを再認識させられた。
通訳者にはクライアントの「想い」が託されているのだ。その重みを忘れてはいけない。自戒を込めて。
Posted by てんも at 04時38分 パーマリンク
2007年02月25日(日)
アリの卵のスープ [タイ料理]
タイで生活しているとアリは蚊と似た存在になる。タイのアリは意味も無く噛み付いてくるのだ。しかも噛み付かれると痛くて痒い。私の場合、アリに噛みつかれると皮膚が数センチ腫れ上がる。だからアリは憎らしい虫。
モット・デーンという体長1cmぐらいのアリは憎らしいだけでなく非常に怖い。大きくて迫力があるし、噛みつかれると非常に痛いのだ。その迫力からか、タイでは仮面ライダーの愛称にもなっている。
そのモット・デーンの卵を、北部の人はスープにしてしまう。貴重な蛋白源らしく、子どもに食べさせる時には玉子焼きに入れるのだそうだ。
味はこってり。今では珍しく貴重な料理らしい。
普段憎らしいアリを「食べてしまう」。それがなんだか非常に「食うか食われるか」な野性的な感じがして、気に入ってしまった。
Posted by てんも at 00時40分 パーマリンク
2007年02月24日(土)
移動屋台と定食屋の関係 [タイ料理]
昼時になると定食屋さんはどこもかしこも大忙し。その中でもおいしい店には、やはり人もたくさん集まってくる。それらの定食屋は吉野屋の牛丼風に「安い」「うまい」「早い」が揃っている。
定食屋の前には、お昼時のみ移動屋台が出現する。たとえばカットフルーツ売り。たとえばジュース売り。店の前で注文すれば、テーブルまで配達してくれるシステムだってある。店側も人手不足でご飯の注文取るだけで精一杯なので、ジュースやおやつを売ってくれる移動屋台とは共存共栄できるのだ。お客さんは、おいしいご飯を食べた後、午後のおやつにカットフルーツを持ち帰ることもできる。
たいていの場合、定食屋と移動屋台の組み合わせはうまくいっているが、たまに気になる組み合わせもある。
先日は南部料理の前に揚げバナナの店が出ていた。
お腹一杯にご飯料理を食べたあとに揚げバナナ・・・
見ていると、やはり買う人は少ない。こってり揚げバナナを売るのなら、あっさりラーメン店の前がいいんじゃないかと思う。
Posted by てんも at 00時38分 パーマリンク
2007年02月23日(金)
マンゴーの収穫 [タイで生活]
モーリ(夫母)宅のマンゴーは今年もたくさんの実をつけた。一番おいしいといわれる「ナム・ドークマーイ」という品種が100個近く採れた。
初めてマンゴーの収穫を手伝った時にマンゴーの樹液にかぶれて以来、それまでは普通に食べていた果物にまでアレルギーが出るようになってしまった。
一番ひどいのはキウイを食べた時。唇と喉がカーッと熱くなり、ヒリヒリした。りんごやさくらんぼもダメになった。あんなに好きだったランブータンで喉がヒリヒリした時には悲しかった。
ただ、このアレルギーは時間がたつにつれて少しずつ収まるらしく、今はりんごも半分ぐらいならば食べられるようになった。マンゴーも、以前は食べた数日後に唇が腫れたのだが今は腫れないようになった。
収穫したマンゴーは樹液を落とすために水洗いする。その時に熟れ具合もチェック。
水に沈むのは熟れている証拠である。
Posted by てんも at 00時07分 パーマリンク
2007年02月22日(木)
成長のスピード [タイで生活]
「サワッディー! ジャム・ピー・マイトリー・ダイ・マイ〜?(ピー・マイトリーを覚えてる?)」
陽気な声が受話器の向こうから聞こえてきた。
どこのどちら様かしら、と思いつつ思わず
「トー・ピット・ルプラーウ・カ (おかけ間違いではないですか)」
と答えると、
「てんもー、僕だよ、僕」と言う。
それは日本に留学経験のあるピー・マイトリーだった。タイに戻ってきて以来、ご無沙汰していた。
ピー・マイトリーはご夫婦で同時期に同大学に留学した。夫妻には小学生の息子がおり、両親の留学について日本に来ていた。名前をアガちゃんと言う。
当時アガちゃんは小学校5年生だった。あいうえおも知らずに日本からやってきたアガちゃんは、半年もしないうちに周囲の留学生の誰よりも流暢な日本語を操り「日本の子供」になった。
あれから、9年。アガちゃんは大きくなっただろうか。
「アガちゃんは、元気ですか?」
「うん。今年大学2年生だよ」
「え・・・」
その言葉に愕然とした。
なんということだろう。9年の歳月は、小学生を大学生にしてしまうのか。
アガちゃんは大学1年生の去年、日本語能力試験の1級に合格し、今は大学で英文学を専攻しているという。
ということは、帰国してからも日本語の勉強を続けていたのだろう。
日本にいる間は流暢な日本語を話しても、タイに帰国したとたんに1ヶ月できれいさっぱり日本語を忘れてしまう子供が多い中、ご両親と本人の努力で日本語を忘れずに、さらに勉強を進めて日本語1級を取得したのだ。
アガちゃん、あなたはなんて素晴らしいのだ。
アガちゃんが小学生から大学生に成長した9年間に私はどれだけ成長できただろうか。
なんだかとても、アガちゃんに会いたくなった。
Posted by てんも at 00時18分 パーマリンク
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