2007年11月12日(月)
タイ国の国税法典対訳 [出版本の紹介]
翻訳や通訳の仕事に携わりながら、常々感じていたこと。
一回の通訳は、その場にいる人に対してしか有効ではない。電話その他を通じての遠距離の人に対する通訳も、その瞬間に通訳者の言葉を受け取る環境にある人しか、利用できない。
一回の翻訳は、納品した翻訳を見ることができる依頼者に対してしか有効ではない。
1つ1つの仕事で、それぞれのクライアントの要望を満たすことしかできないのだ。通訳マシーンがあって、いつでもどこでもそのマシンが利用できるとか、翻訳マシーンがあって、翻訳作業が瞬時に完了するのであればいいのだが、今のところそういった便利な道具は開発されていない。
通訳も翻訳も生身の人間が作業するので、順番待ちが発生する。
もっと効率的に、一度の翻訳、通訳作業が、同時に複数のクライアントに対して有効となる方法はないものか。
翻訳本の出版は、その回答の一つかもしれない、と気づいた。
手を付ける前に気づけば格好良いのだけれど、作成中になんとなくそんな予感が芽生えて、完成した本を手にとって、その思いは確信に変わった。
翻訳以外にも、100を超える豊富な注釈で関連法案の解説をしてくださった元田先生と、貴重なアドバイスをくださり、快くサポートしてくださったSME Multi Consultant Co., Ltd.川島さん、迷った時にあったかい言葉をくれた友人たちに、心から感謝。
Posted by てんも at 07時08分