2006年06月25日(日)
思えばたくましくなったものだ [タイで仕事]
今年に入ってから私の目標は、
「どんな時にも冷静、前向きな、朗らかリーダーになる」
これが最近本当に実現できたように感じる。
土曜日に仕事上のトラブルが3件発生した。
重なる時には重なるものだ。
昔の私であれば、その全てに大きく反応しいちいち動揺していたと思う。立ち直るにはおそらくそれぞれ半日はかかっていただろう。そしてそのたびに、大海で荒波に揺られるボートのような心細さを感じただろう。
しかし、今の私には今回のトラブルはずいぶんと小さな波に感じられた。
なによりも、まだクライアントには迷惑をかけていない、その前の段階でトラブルを発見できた、そのことが私にとっては幸運に感じられた。
自分の進んでいる方向が、自分の会社にとって「正しい」方向であるという確信を持てるようになったからだろうか。
トラブルに対処できるだけの「順風」が、私の中で力強く吹いている。
Posted by てんも at 11時48分 パーマリンク
2006年06月23日(金)
キュンとした、ATMカードの話 [タイで仕事]
夕方、外出先からスーパーに寄った。
市場の方が新鮮な野菜があるのは分かっているけれど、なかなか良い時間に買い物にいけないので、スーパーはやはり便利。
しかし、あまりお金を持ってこなかったことに気づいて、しばし困惑。せっかく買い物に来たのだから、まとめ買いしたい。
そして思い出したのが一枚のATMカードの存在。
以前勤務していた会社で給与振込みがされていた口座のカードである。はじめてタイで作った銀行口座。
退職する際に少し残っていた預金をそのままにしてあり、
こういうピンチの時に少しずつおろして使っている。
このカードを使うたびに、キュンとする。
涙あり、笑いありの日系企業勤務時代の4年間が残した、今の自分へささやかなボーナス。
あの頃がんばった自分を、すごいと思う。
友人にも恵まれて、最高に楽しく過ごした4年間は、私の中で宝物になっている。
残高は1800バーツ。
また少し、この口座に預金しちゃおうかな。
Posted by てんも at 12時48分 パーマリンク
2006年06月14日(水)
警備員のおじちゃん、再び [タイで仕事]
警備員にも配属場所によっていろいろな種類の仕事がある。
建物の正門に配属される場合、駐車カードを配ったり、相手の身分証と引き換えに入構証を配布したり、トランクの中身を確認したり。頻繁に出入りのある場所の場合、基本的にずっと立ちっぱなしである。
建物の入り口に配属される場合、出入りする人の身分証の確認を行う。基本的に椅子に座っている。食事したり、ラジオを聴いたり、見回り兼散歩をしたり、寝ていることも多い。
そして、われらが警備員のおじちゃんは、建物の入り口に配属された組。
どこからか椅子を用意してきて座っていれば、それでOKな仕事。実際に前任者はそうしていた。一日中椅子に座ってボーっとしていた。
しかし、このおじちゃんは違うのだ。
誰かが大きな荷物を抱えていれば率先して持ってくれるし、建物の前に車が停まれば交通整理もしてくれる。
いつも笑顔で挨拶してくれる。
これだけだって素晴らしいのに、このおじちゃんの偉いところは向上心も持っているところ。
学生さんが大勢来る時期になると、道案内係まで引き受ける。
そして、自分が分からない建物があると、すかさず通りがかりの顔見知りの先生に聞く。
「アジャーン カップ。○×研究所というのは、どこにあるのですか?」
「それなら、あそこの建物の奥を入ったところにありますよ」
「ありがとうございます。これで学生さんに道を教えてあげることができます」
総合大学には、いろんな名前の部屋があり、複雑なんだけれど、おじさんは毎日新しい建物の名前を吸収している。
そして、にこやかに学生さんたちに道案内している。
「あそこの建物の奥を入ったところですよ」
おじちゃん最高である。いつまでも、元気に仕事を続けて欲しい。
Posted by てんも at 12時35分 パーマリンク
2006年06月12日(月)
長女の仕事ぶりと末娘の仕事ぶり。 [タイで仕事]
うちのスタッフに、長女代表と末娘代表がいる。
最近、この二人の対比が面白い。
長女組は一度伝えたことはきちんと実行してくれる。ただし、時間がかかる。そして、自力でできない段階になると、そこで仕事をストップさせてしまう。
末娘組は仕事が早い。しかも同時進行で複数の仕事を平気で掛け持ちする。ただしおっちょこちょいでミスも多い。
例えば、仕事が終わって帰る時、スタッフは挨拶代わりに私にワイをしてくれる。
「ピーテンモー サワディーカー」
と言って帰るのだ。
タイムカードを押し終わった時、私が打ち合わせをしていると、長女組は私が話し終わるタイミングを待つ。私が話しに夢中で気づかないと、5分位待っている時もある。
しかし、末娘に「待つ」という言葉はない(笑)
絶妙のタイミングでスルリと会話に割り込んでくる。
「じゃ、お先に失礼しまーす」
特に話の流れをさえぎることもなく、自然に挨拶をして帰っていく。長女組はほっとしてついでに挨拶をして帰って行く。
仕事でも同様。長女組は私の手が空く瞬間を待って、サインが必要な書類を持ってくるが、そういう瞬間はなかなか訪れない。だから仕事が遅れてしまう。
末娘はここでもやはり、待たない。
書類を持ってきて、「サインお願いしまーす」と言う。
その声のかけ方がうまいので、私もタイプする指を休めてサインをしたりする。
先日は郵便局に行った長女組からオフィスに電話がかかってきた。聞くともなしに聞いていたら、「荷物の中身を書く欄があるんだけれど、何を書いたらいいんだろう」という質問らしい。
それに対して末娘はいちいち私に聞くこともせず、自分で考えて的確に答えている。
「中身は本でいいんじゃないの?数量は10ぐらいでいいと思うよ」
末娘のこの要領の良さは、天性のものだと思う。愛嬌があって、憎めない。
それに引き換え、長女の要領の悪さ・・・。
私自身も長女なので、長女組にはぜひともがんばって欲しいものなのだけれど、長女代表スタッフは、まだまだ自分の人生にも迷っている。自分に何が向いているか、分からないという。
プロジェクトを任せても、他人に遠慮してなかなか仕事を依頼できず、計画が遅れる。なんとか殻を破ってもらい、この長女組の隠れた才能を見出して、仕事に生かしてもらいたいと思う。
自分の得意分野の仕事をすることが、一番楽しいことだと思うし、やはり仕事は楽しくやって欲しいから。
がんばれ!長女組!!
Posted by てんも at 11時14分 パーマリンク
2006年06月01日(木)
ビジネスという不思議な生き物 [タイで仕事]
タイの日系企業で働いていたときに良く感じたのは、大きな会社の舵取りの難しさ。
私が働いていた会社は、ピーク時には1000人を超える人がラインに入ってモノを作っていた。
会社全体が大きな軍艦のようで、慣例を変えることが難しく、従業員に会社のメッセージが正確に伝わらないという悩みを抱えていた。
トップの人にとっては、会社の進行方向をほんの少し変えることでさえ、一苦労だったのだ。
独立して自分で会社を始めてからは、状況が180度変わった。
特に創生期の会社、ビジネスというのは、生き物のように、ほんの少し、すこーしずつ、その姿を変えていくようだ。
その中にいて舵を取っているとなかなか分からないのだけれど、目的地をイメージして、少しずつでもそれに近づくような道を選択し続けていくことで、それまでの自分の行動のいろいろなポイントが共鳴して、大きなうねりになっていく。
それは自分ひとりでは起こすことのできないうねりで、
そしてまた自分ひとりでは止めることもできないうねり。
ビジネスの形態が変化したり、ビジネスに関わる人が変化したり、時にはビジネスの目的地さえ変化して、その全ての要素が影響しあって、また新たな動きを生み出す。
人間や動物に命があるように、ビジネスにも命・魂があるような気がする。
今日はそんなビジネスの魂に少し触れることができた、そんな日だった。
なんだか妙に抽象的になってしまったけれど、確かに私は触れたのだ。
Posted by てんも at 00時34分 パーマリンク
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