2006年07月21日(金)
徳のある人 [タイで仕事]
ある業界のトップの方にお会いする機会に恵まれた。
その方を訪ねてバンコクの本社に行った。
高層階にあり、大きなフロアに100以上のデスクが並び、そのすべてのデスクにパソコンが置かれていた。人々は忙しげに働いている。活気がある部署である。
その活気がある大きなフロアの奥に、顧問特別室としてその人の部屋があった。
その部屋だけはとても静かで、時間の流れが違った。
やさしい笑顔で「よく来ましたね」と迎えてくれ、静かに我々の話を聞いてくれた。
どの国でもきっとそうだと思うけれど、タイでも「偉い人」ほど腰が低い。
我々を案内してくれた秘書の方、話の途中で部屋を訪ねて来た部下の方、みながその方を心から尊敬し、そして父親の様に慕っていることがよくわかった。
それはその方の地位だけではなく、その方が持つ人徳のようなものが周囲を自然にそういう態度にさせるようだった。
私も一瞬でその方のことが大好きになった。
頂点まで登りつめた人は、後進の活動も暖かく見守ってくださる。
我々のお願いにも
「いいですよ。構わないから、やってご覧なさい」
と快諾してくださった。
本当に偉い人というのは、こういう人のことを言うのだろう。周囲が自然に尊敬してしまう、そんな徳のある人。こういう方たちと接していると、小手先の技術だけではなくて、人間としても成長していきたいものだ、と思えてくる。
Posted by てんも at 07時50分 パーマリンク
2006年07月19日(水)
電話を受けるときの言葉 [タイで仕事]
電話がなってスタッフが取った。
「もしもし・・・」
お世辞にも日本語がうまいとはいえないが、うちのスタッフは全員「もしもし」と「少々お待ちください」だけは流暢に言うことができる。
これが意外に評判で、
「GIPUのスタッフはちゃんと日本語が使えるんですね」
とほめていただくこともある。
実はこの二言しか話せないスタッフもいるのだけれど、そばにフォローできる人間がいる場合は、電話対応はこの二言でも十分らしい。
ところがこのときのスタッフの対応は妙だった。
「もしもし・・・マイチャイカ・・・モーメント・プリーズ」
3ヶ国語ごちゃ混ぜである。いったい相手はどこの国のお人だ?
私の視線を感じてスタッフが言った。
「日本の方ですー。でも、英語とタイ語で話をされるんですー」
そうなのだ。電話対応は無意識に相手が話す言語で話してしまう。だから、英語で聞かれれば英語だし、タイ語で聞かれればタイ語になる。先方が途中で使う言語を変えれば自分も無意識に変えてしまう。スタッフも、たとえ言葉が流暢ではなくても、
「少々お待ちください」
「ジャスト・モーメント・プリーズ」
位は言えるから、そういう意識せずともそういう対応になってしまうらしい。
そういえば。私が日系企業で社長秘書として仕事をしていたときも、同じような悩みがあった。
日本人のお客様は「社長秘書はタイ人」と思って電話をかけてくるので、タイ語で話してくる人が多かった。
「コー・サイ・クン○○・クラップ」
日本人だとわかる発音で、それでもタイ語で話してくださる方に、日本人の私は何語で答えるべきなのか?
いろいろ試行錯誤して、結局は
「ロー・サックルー・カ」とタイ語で答えることにしていた。
タイ語で聞かれているのにそこに突然日本語で答えると
「はい。少々お待ちください」
「ええ!?あ、あー、お願いします」
と、相手を驚かせてしまうし、突然の日本語での対応は妙に冷たい印象になってしまう気がした。
そんな懐かしいことを思い出させてくれる出来事だった。
Posted by てんも at 07時41分 パーマリンク
2006年07月08日(土)
出家したいというスタッフの話 [タイで仕事]
スタッフが辞表を出して、会社を辞めたいと行った。
最近少し様子がおかしいと思っていたので、あまり驚きはしなかったけれど、彼女にいったい何が起こったのか、知りたかった。
「新しい仕事は?もう見つかったの?」
「まだです。私には行くところがありません」
「・・・。今度もITの仕事がいいの?」
「もうITは選ばないと思います。でも、どの分野で仕事を探せばいいかわからなくて」
「・・・??」
「もう出家して尼になりたい・・・」
そう言って涙ぐむスタッフ。
いったい何が彼女をそこまで追い詰めたのだろうか。
普通、新しい就職先が決まっていても、会社や上司にはそれを伝えないことが多い。それがタイ人なりの礼儀というか、そういうことになっている。
たいていは、「親の仕事を手伝う」「留学する」などという理由で会社を辞め、新しい会社に移る。
でも、今回の場合それはないようだ。
彼女は仕事を休んでいない。別の会社に面接に行く機会はなかった。
だけど、会社を辞めて、しばらくゆっくりしたいのだという。
正直、彼女に次の仕事先が決まっている方がまだよかった。
次の仕事が決まってもいないのに、会社を辞めたい、というと、いったい何が原因なのか、彼女はこれからどうするのか、いろんなことが気になる。
彼女の話を聞いていて感じたのは、彼女自身、自分の感情を理解できず、混乱しているということ。
タイ語でいう、サップソン・チーウィット・トゥア・エーン
という状態になっている。
彼女以外のスタッフと話をしてみた。
そして分かったこと。
私を含む全員が、「実は彼女を追い詰めたのは自分なのかもしれない」という心配をしていた、ということ。
上司は、仕事の量が多すぎただろうか、叱りすぎただろうか、と気にしていた。
同僚は、自分の何気ない一言が彼女を傷つけてしまったのだろうか、と気にしていた。
みんな彼女を心配して、彼女のことを気にかけて、そして彼女のことで胸を痛めていた。
優しい空間だな、と思った。
だから、結論を出した。
本当のことは彼女自身にも分かっていない状態で、みんなで彼女の悩みに巻き込まれる必要はない。
組織の再編を含めた会社の今後について、考えよう。
今年後半をどういう年にしたいのか。これからどうして行きたいのか。せっかくの機会だから、考えてみようと思う。
Posted by てんも at 10時42分 パーマリンク
2006年07月01日(土)
ドリアンで、ひと休み。 [タイで仕事]
オフィスに差し入れをいただいた。
皮をむいたばかりの、ドリアン。
仕事の山場を迎え、「あと一息!」と最後の追い込みに入っていたので、この差し入れはすごく嬉しかった。
ドリアンて、食べると元気が出て来る気がする。
オロナミンCを飲むような、「もうひと頑張り」ができるような気がする。
スタッフは、冷房の部屋でドリアンを食べると部屋中に匂いが充満するから、と気を使って、オフィスの外で食べるというのだけれど、それもめんどくさい。
みんなで食べれば臭くない。
3時のおやつに「せーの」で食べることにした。
わがスタッフが全員ドリアン好きでよかった。
ひと時の、ホッとする瞬間。
ドリアンは、私好みの柔らかく熟したドリアンだったけれど、私は指が汚れるのが嫌でスプーンで食べた。
スタッフはみんな手で食べている。確かに、手で食べた方がおいしそう。でも、グチャッとする感覚が嫌なのだ。
だから、スプーンですくって食べた。
おいしく食べて、お仕事再開。
Posted by てんも at 17時32分 パーマリンク
2006年06月26日(月)
睡眠時間と仕事の効率の関係 [タイで仕事]
いくらたくましくなったとはいえ、スケジュールがきつくなったことに変わりはない。
だから昨日は早く寝た。
逆説的だけど、忙しいときほど早く寝る。
そして朝からぱきぱき行動して、オフィスに到着した瞬間から仕事をスタートさせる。
その方が効率よく、仕事も早く進む。
つまり、睡眠時間と仕事効率は正比例する、というのが最近の私の実感。
以前、仕事の山場には睡眠時間を削って夜中に仕事をしていた。
2日くらいはそれでもいいけれど、3日も続くと、翌日の昼間の効率が落ちる。普段の半分も集中できないし、眠くもなる。
眠気には、体を動かしたり、コーヒー飲んだり、キシリトールガムをかんだり、i-Pod聞いてみたりするけれど、30分程度の「眠い」状態が続くことに変わりはない。
それならば、睡眠時間をたっぷりとって、限られた時間の中で正確に仕事を進める方がいいだろう。
栄養たっぷりの食事して、睡眠たっぷりとって、お仕事しようじゃないか。
ついでながら、いつもどおり、掃除は週末のレクリエーションに取っておくことにしょう。
Posted by てんも at 12時41分 パーマリンク
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