2007年08月16日(木)
待ち人来たる [タイで生活]
日本で会社勤めをしたことのなかった私は、タイに来て初めて就職活動というものを経験し、縁にめぐまれて日系の会社で働くことになった。肩書きは社長秘書、実態は社内通訳という仕事内容のおかげで、会社中の部門から声をかけてもらい、会議や研修会の通訳を経験させてもらった。その時に学んだ各部門の役割、抱える問題、現場の専門用語などは今の仕事に非常に役立っている。
私の所属は総務部だったので、私には(気持ち的に)直属の上司が2人いた。総務部長と社長である。このお2人には本当に多くのことを教えていただき、多くを与えていただいた。
「上司に悩まされる」とは聞くけれど、「上司に恵まれる」とはあまり聞かない。だから私は非常に幸運だったのだと思う。
会社で何があっても、この2人がタイにいる間はこの会社で働き続けよう、と心に誓ったほどである。
そして私が入社してから数年でお2人はほぼ同時に日本に帰国された。
それからも社長は1〜2年に1度の割合でタイ旅行にいらしたが、総務部長はタイに来る間もなく別の国に赴任した。あれから早7年。1週間の休暇を利用して総務部長がタイにバカンスに来た。
「タイはやっぱり人が優しくていいですね」
そう、目を細めながら話す総務部長は、今は別の国でもっと偉い人になって、会社全体の管理をしている。
自己主張の強い人が多い、というその国でも、タイでしていたのと同じように自分を見失わず、自分が暮らしている国のあれこれを興味を持って眺めながらしっかり前を向いて歩いているその姿が嬉しかった。
在タイが長くなるにつれ、「見送る」側になることが多くなっていたのだけれど、毎年遊びに来てくれるお友達もいるし、たまにはこうして帰ってきてくれる人を「迎える」側になることもあるのだな、と気づいた。
Posted by てんも at 00時12分