2007年11月15日(木)
大人の対応 [タイで生活]
ご近所の小学生兄弟が新しい制服を着ていた。かわいらしい柄のシャツ。
休み明けから、毎週決められた曜日に着るようになったという。
でも、なぜかお兄ちゃんだけ。
同じ学校に通っている弟は、普通の無地の白シャツを着ている。
「???お兄ちゃんの学年だけ、そのシャツを着るようになったの?」
お母さんに聞いてみたら、そうではないようだった。
「そうじゃないのよ。シャツの製造が間に合わなかったらしいの。だから納入されたクラスから順に着ることになったの」
学校に納入する商品の納期が遅れるというのは、深刻な問題だと思うのだけれど、こういう時、業者さんは意外にケロッとしている。
そして学校側も、クレームはするだろうけれど、「寛大な対応」をする。
間に合わない言い訳を並べる業者に対し、「理解を示す」のだ。それが大人のやり方だと言わんばかりに。
相手の失敗に対し、寛大な理解を示す。これがタイの「大人」の定義に含まれているような気がする。相手を許すことができるのは、尊敬に値する大人。
それはそれで結構なことだけれど、少し気になることもある。
大人たちのそんなやり取りを見て、「約束の時間に間に合わせることができなくても、相手が本当の大人なら許してくれる」という見本を見て育つ子供たちは、「約束は守らなければいけない」という意識が薄くなるのではないだろうか。
そんな意識がタイの融通が利く大らかな空気にも関係しているのだろうから、100%悪いと否定する訳にもいかないけれど、気になる出来事だった。
Posted by てんも at 07時28分