2008年08月08日(金)
お願いだから、聞かないで。 [アメージングタイランド]
それまで意識していなかったことについて聞かれると、自分の意見を出すどころではない。たまにそんな経験をする。
たとえば、建築物の「色」の問題。
モーリさんご主人(夫父)は、何か新しい物を作るとき、必ず私の意見を聞いてくれる。
「屋根の色は何色がいい?」「壁の色は?」
優しいお父さんである。この程度の質問であれば、私もどうにか答えられる。
「青い瓦がいいな」とか、「壁はクリーム色かな」とか。
しかし、質問はこれだけにとどまらない。
部屋の内壁の色は?天井の色は?床のタイルの色は?カーテンの色は?トイレの壁は?トイレの天井は?
質問攻撃である。これが困る。
これまでの人生でトイレの天井には何色が合うかなど、考える機会もなかったし、
「良い機会だから、ショッキングピンクに塗ってみよう!」
「元気が出るように明るいオレンジ色にしてみたい!!」
という程、日常生活において色で冒険してみようという気にもならない。「普通」でいいのである。
でも、日本人の私にとっての「普通」が、タイの「普通」と一致するとは限らない。
先日聞かれたのは、看板の色。手頃な黒い石が手に入ったから、それを掘って会社の看板を作ってくれると言う。
「黒い石を掘って、掘った部分に色を入れるのだが、何色が良いか」と聞かれた。
「彫ったらそのままでいいじゃないか」と思うのだが、掘った部分にさらに色を塗らないといけないらしい。
黒い石にピンク色も変だから、無難に白か?と思い
「白」
と伝えたところ、「白?墓石じゃないぞ」と言われた。
「うーんと、じゃぁ、青色」
「・・・」
結局私の意見は採用されず、「標準的な色」であるという「金色」に落ち着いた。
「き、金!!??! 黒地に金!??!!」
絶句するのは私の方である。
しかし、完成品を見て考えを改めた。
たしかに、「黒に金」がタイのスタンダードだ。
そこにあるのは、あちこちで見かけるなかなか立派な看板だった。
Posted by てんも at 00時51分