2006年06月17日(土)
飼い犬と門前犬 [タイで生活]
オフィス前には大家さんの犬3匹がいる。
3匹とも、番犬として最適。怖い。
そして、門の前には同じようにすごみのある犬がさらに3匹。
6匹はどれも似たような犬である。雑種だ。
でも、飼い犬は明らかに「ここで飼われている」というプライドを持っている。
彼らは「マー・バーン(家の犬)」と呼ばれる。
門前犬は「ここで飼われてはいないのだ」と身分をわきまえている。
彼らは「マー・ナー・バーン(家の前の犬)」と呼ばれる。
犬も野良よりは飼い犬がいいらしい。いくら外で飼われていても、雨露しのげるし、食べ物も与えられる。
だから、門前犬の3匹は、隙あらば「マー・バーン」に昇格しようと、門の開閉の度に中に入ってこようとする。
飼い犬は自分達の縄張りをあらされることに対し怒り、猛然と吼える。
それでも大家さんは、門前犬に対しても愛情を注いでいる。
門前犬は、自分達はここの家の前の犬なのだ。という思いがあるらしく、見知らぬ人が通りかかると猛然と吼えるのだ。人間の守衛よりもよっぽど役に立つという評判の門前犬に対しても、大家さんはえさを与えている。
しかし、門前犬は門の中に入ってくることは許されない。
何が違うのかというと、同じ雑種でも、飼われている3匹は、別の家で飼われていた飼い犬の子なのだ。
しかし、同じ雑種でも、門前犬は、産まれたときから野良犬なのだ。しかし、飼い犬志願なのだ。
出生の違いである。
犬社会にも歴然とした身分差があるのを目の当たりにして、タイ社会の厳しさを思った。
Posted by てんも at 01時29分