2008年01月12日(土)
打ち明けばなし [タイで生活]
なじみの焼きバナナ屋台に立ち寄ったところ、バナナと並んで売られていたもち米のおやつがない。
もち米のおやつは、もち米にかぼちゃ、タロイモ、バナナなどの餡を入れてココナツミルクで蒸したものを炭火で焼くという、非常に手の込んだ贅沢なおやつ。そのくせ、1つ5バーツで売られている。
「今日はおやつないの〜?」
「・・・きっともう永遠にないですよ」
なぜか元気のないバナナ屋さん
「??なんで?」
「作る人がいなくなっちゃった。奥さんが出て行っちゃって、一家離散ですよ。お正月からついてないなぁ」
「げ。そうなの?」
「はい・・・」
「正月から?」
「そう。正月から。」
「あらら・・・」
私は、非常にプライベートな話をいきなり打ち明けられたことに動揺し、焼きバナナだけ買ってその場を去った。
タイには、離婚でも借金でも病気でも、自分の身に降りかかった災難を平気で他人にしゃべりまくる人が多い。たくさんの人に話して聞かせるうちに、「個人的なつらい出来事」が「よくある話」に昇華し、心の痛みが癒されるかのように、オープンである。
この場合の周囲の対処法としては、基本的に相手と一緒に明るく盛り上がることがが望ましい。
「何か悪いことしたんでしょ〜!」
「どこに行っちゃったか、心当たりないの?」
「そのうち戻ってくるわよ」
明るく盛り上がり、最後には多少の慰めの言葉をかけてあげれば、相手の気持ちも落ち着くのだ。
私のような対応はまるでダメなのである。
気の利いた言葉一つかけられなかった自分を反省した。
今度行った時は明るく聞いてみよう。
「奥さん戻ってきた〜?」
Posted by てんも at 00時55分