2009年01月11日(日)
人生は勉強より「世渡り力」だ! [読書の記録]
「痛くない注射針ができたらしい」というニュースを耳にしたことがある。その注射針を作ったのが岡野さんだ。
日本の工場には、自分の腕に誇りを持っている職人さんがいる。そんなおじさん達は、オヤジギャグは言うし職場じゃいつも怒鳴っているけれど、あったかい心の持ち主だったりする。
新人通訳だった頃、工場研修の仕事を担当していた時期がある。どの工場にも、元気いっぱいの職人さん達がいた。
この本を読んで、そんな職人さん達のことを思い出した。
「つねに大企業の人間とつきあっていないとダメ」とか、「1円もかけず、お願いもせず、相手が自分をPRしてくれるやり方」とか、参考になる話が盛りだくさんだったが、中でも感嘆したのは、「特許」の話。
新しい技術も、個人で取った特許では守れない。大企業は特許技術をまねた商品を作ってくる。特許を持っている人間が訴えたとしても、決着までには何年もかかる。終わるころには技術が古びている。しかも相手は大企業。「こんなにいるのかよ」というくらいの顧問の弁護師団と戦うことになるのだそうだ。
だったらどうするか。その解決法が痛快。岡野さんの柔軟な思考力、世渡り力が冴え渡っている。
Posted by てんも at 00時36分