2006年07月13日(木)
おばちゃんのこだわり [タイ料理]
おいしいナム・トックの屋台は地元の人にも大人気。
その噂を聞きつけて、日本のタイ料理レストランで働かないか、というスカウトを受けたこともあるという。
ある日突然日本人の男の人が来て、そんなことを言うのよ
とおばちゃんはおかしそうに言った。
月給5万バーツを提示されて、それだと割りにあわない、と断ったのだという。
たしかに日本の物価を考えると、15万円前後の給料ではお金がほとんど残らないだろう。おばちゃんの判断は的確だ。
それにおそらく、おばちゃんは現在でも5万バーツの利益を出していると思う。
スカウトの人には気の毒だけれど、おばちゃんが断ってくれてよかった。おばちゃんのおいしい料理が食べられなくなるのはつらすぎる。
おばちゃんの料理がおいしいのは、徹底した食材へのこだわりから来ている。
おばちゃんの朝は早い。青果市場で野菜を仕入れることからはじまるのだ。
仕入れる野菜はムー・ヤーンやナム・トックの付け合せにするキャベツ、インゲン、そして香味野菜とマナオ。
調味料のひとつであるマナオは大量に仕入れて自分たちの手で絞る。
その量が半端ではない。絞ったマナオをナンプラーの大瓶に詰めるのだが、それが4,5本である。それを一日で使い切る。いったいどれくらいの量のマナオを絞っているのだろうか。
付け合せの野菜も、キュッと冷えていてパリパリの歯ごたえでおいしい。
肉もおばちゃん御用達の店で毎日仕入れる。
仕入れから帰ってくるともうお昼近くになるという。
その後肉を仕込んだり野菜を切ったり。
そして夕方からは屋台を出して夜中までたちっぱなしで料理を作る。
かなりハードな生活だが、おばちゃんにはいつまでも元気においしい料理を作り続けてほしい。
Posted by てんも at 07時17分